京あめは全てが手作りで生まれます。
砂糖と水飴を配合し煮詰め、そこへ香りや味を加えていくのですが、僅かな条件で仕上がりが変わります。
季節によって、気温によって、湿度によって、職人しか分からない微かな調整と配合を工夫し、京の地に合わせた個性をもったあめが生まれてきます。
手作りゆえの粗さもありますが、同じ品でも季節によって変わる"肌触り"や"風味"をお感じ頂ければと思います。
クロッシェの"京あめ"は、ヨーロッパのあめの美しさの技術と、日本で培われた味の技術を融合させたい、との想いから生まれました。あめは、ヨーロッパでは工芸的な色と輝きを、日本では味を追求していくことで発展していきました。
あめは細やかな空気を抱き込ませることで輝きを増します。固まりかけたあめを引っ張ることで輝きは増していきますが、反面、それはもろくなり味も見えにくくなります。この調和こそがクロッシェの京あめの技術です。
クロッシェの"京あめ"は、すべての色に意味があります。意味と曰くを持たないあめは一つもありません。
色はどの世界でも、古来から人の思いや願い、そして決意を表して参りました。今、流行りの色の組み合わせから、既に忘れかけている古代の色の規則まで。クロッシェの"京あめ"はすべてそれらを表しています。
平安朝の十二単の襲の色目、アールデコで飾られたドレス、芸妓の艶やかな襟元から、17世紀のヨーロッパ王宮の流行色まで網羅しています。味を造り、色を重ね、そして輝かせることでクロッシェの新しい"京あめ"は完成していきます。
クロッシェの"京あめ"はすべて京都は下京区綾小路富小路の小さな工房で生まれます。それは京都で営々と紡がれてきた配合と技法を重ねるためです。
どこでも出来る品ではございません。京都の風土気候に合わせた材料の配合と組み合わせでしか生み出すことが出来ません。
創業130年を数える京あめの工房が出自であり、そこで生まれた品こそがクロッシェの"京あめ"です。